ありさとの雑記帳

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新城 カズマ『ライトノベル「超」入門』 感想1

「入門」ではなく「『超』入門」なのがミソ。
とても面白かった。平易な語り口だけれど、見かけほどライトではないよ。レヴィストロースの名前は落とせなかったみたいだけど、「これはパイプじゃない」とウィンクしつつ「邪推する権利」について語ってみたり、あえてアカデミックな用語を避けているという印象をもった。

ニフティサーブFSFで「ライトノベル」という言葉が作られた話をきっちり活字にしてくれたことには感謝。
これでWikipediaの記述にぎりぎりしなくてすみますね。
(「諸説」あってもFSFで作られたのというのが「正しい」の!)

ジュブナイル」「ヤングアダルト」とどう違うのか、「字マンガ」という言い方もあったというところまで押さえてある。


書きたいことはいろいろあるのだが、とりあえずここまで。
重要なポイントはいろいろ。以下覚書。

・アニメノベライズは「電源不要のアニメ」「文字のアニメ」
・アニメノベライズと美少女ゲームノベライズの類似性
・イラストの重要性/アニメ塗りについて
・狭義のライトノベルレーベルの確立は1990年
ライトノベルレーベルは漫画月刊誌に相当する
・「アイテム=外見=行動様式」
・「選択と決定を読者に任せてしまった」
ライトノベルはジャンルではなく手法
黄表紙ライトノベル
・「ゼロジャンル」

内容に関してほとんど異論はないんだけれど、「キャラクターはいつ”生まれたのか”」(p.119〜138)には、なんだか違和感がある。筋が通っていないというか論理に飛躍があるというか、ともかく変だ。だいたい「キャラ意識」って何よ?